Windows10用最新テキストエディタの紹介

「令和2年新春に当たり、64ビットデスクトップWindows10の日本語マシンにマッチする最新のテキスト エディタの調査と動作テストをしました。
本書では、次の判定基準により、選定したテキストエディタ(以下エディタと略称)を紹介させて頂きます。」
  1. 画面のテーマはライト(背景:白色系)とする。
  2. 言語HTML, CSS, JS用で、文字コードはSJIS対応とし、日本語用マシン用とする。
  3. Windows10で文字が鮮明で、色設定が出来る事。フォントはWindows10標準Yu Gothic UIが使えるか、鮮明なフォントを有する事。 
  4. アプリに常駐するプラグイン又はスニペットを操作して、常用タグ文ファイルからアプリ画面にタグ文を書込める事。
  5. HTML5及びCSSの基本構成テンプレート(ひな形)を設定し、アプリ画面に出力出来る事。
  6. 出来れば、省略記法Emmetが利用出来る事。
  7. 素人ユーザでも簡単に使えるエディタである事。この意味から、4,5項を満たせば6項は必ずしも必要ではない。

エディタの使用経過

「小生は2002年〜2017年までXPノート形にTepapadエディタをインストールして使用してきたが、この間、SP1→SP2→SP3とアップデート、OSもXP→Vista→Windows7→Windows8.1→Windows10にグレードアップしてきた。Vistaから64ビットマシンが始まり、普及するにつれ、Terapadの対応フォントの種類が減少、ギザギザで小汚くなり、読み取れなくなった。 最後にネットからTBフォントを入手して対処してきた。2017年末XP寿命につき、64ビットWindows10 Pro デスクトップを導入、TerapadとTBフォントを移設した。
しかし、このフォントは相性が悪く、ネットから種々フォントを試した結果、Ricty Diminished Discord/Regularが鮮明で読みやすいので、Discordを愛用している。このエディタは6項は無理だが、5項はひな形を種々用意し、用途により使い分けし、常駐プラグインには、H5基本構文全文対応及び広範な常用タグ文を収録しており、困ることはなく、その他の項目は全てOKである。 」

最新のテキストエディタについて

「Windows用の最新エディタにはVisual Studio Code(VSCode), Sublime Text3(Sublime), Brackets, Atom, Notepad++等がある。特徴は省略記法の採用とスニペットやプラグインの対応等である。操作が込み入っているため、動きが鈍く、べとべとした動きになっているのがVSCode,Sublime, Atomである。
 Atomはプラグイン情報すらなく、1GB以上の大容量のメモリを占領しており、論外のアプリである上、動きが極端に鈍いため失格とした。これら以外に17のエディタをテストしオミットした。その中のサクラエディタは余りにも手が込みすぎ画面が賑やかすぎて複雑怪奇に付き失格。Meryはタグが手書きにつき失格となった。
 VSCodeとSublimeの文字コードはSTF-8です。VSCodeはSJISを設定出来ますが、Sublimeは専用なので、読込書出しはSTF-8エンコード/デコードして処理しており、文字化けが起こりやすいので要注意です。 
それでは、Terapad, Brackets, Notepad++, StyleNote, VSCode, Sublime Text3について以下紹介します。
  1. Terapad

    先ず 画像を表示してアプリの外貌をご覧ください。
     このアプリは、HTML, ASP, XML, Perl, PHP, CSS, Ruby, INI, BAT, C/C++, Java, JavaScript, VB, HSP, Delphi 各言語の編集に対応しており、文字コードはShift_Jis, Jis, EUC, Unicode, UTF-8, UTF-8N、の他、検索置換、元に戻す、やり直し等、文字コード自動認識、色設定、印刷等 一通りの必要な機能が揃っています。 Windows10 Proでも動作は良好で、32ビット用です。作成中のドキュメンはIEで表示して検閲します。
     又、画像の朱記したボタンをクリックして、各分類区分のプルダウンリストのタグ構文をクリック、プラグインを起動してタグ構文をドキュメントに書込みます。このプラグインのリストデータファイルは自由に変更修正追加削除が単独で可能で、現在、内容は充実しており、臨機応変に利用OKとなっています。
     動作は非常に軽快で俊敏です。アプリ・プラグインの入手、現状再現用のツールはEditor情報のTeraPadを参照して導入に利用下さい。省略記法は適用外。
  2. Brackets

     このアプリは、Adobe Systemsが開発するオープンソースのコードエディタで、42近くの言語の編集に対応している。32ビットアプリになっており、本体は「C:\Program Files(x86)」にインストールされるが、ユーザデータは「userName\AppData\Roaming\Brackets」フォルダに格納される。
     動作は軽快だが、常時開始・終了タグを自動選択し、纏い付き(絡みつき)感とベタつき感がキツイ。Windows10標準フォントの設定で、鮮明な画面となっている。又、編集メニュパネルは、過大な項目数の為異常な高さになっているので使いづらくなっている。プラグインやテーマファイル及びインストール済みファイルは、「ファイル>拡張機能マネージャ」パネルで、インストール・削除、有効/無効等の処理が出来る(画像A参照)。
     新しく、HTML5とCSSの構文のひな形及び常用タグ類をアプリ画面のカーソル位置に挿入するプラグインを作りました。メニュバーに「タグ挿入」メニュが作られ、ひな形実行サブメニュ及び常用タグ分類メニュが作られ、これを押すとダイアログが表示され、挿入タグリストを選び、Doneボタンで画面に出力します(画像B参照及び 画像C参照)。
     アプリ・プラグインの入手、カスタマイズツール等はEditor情報のBracketsを参照して導入下さい。指定しているプラグインは必ずインストール下さい。
    推奨するプラグインは:brackets-emmet, brackets-beautify, Brackets-extension-toolkit-master, edc.brackets-snippets, in3etween.show-whitespace-ja, matlal.brackets-html-tag-autocomplete, monokai-plus-theme, notepad_plus_plus_theme 等です。

     Emmetをインストールすると、メニュバーにEmmetメニュがつくられ、サブメニュは全て英文で理解できませんが、Expand Abbreviation は省略文の展開を実行する事で、Wrap With Abbreviationは、選んだ範囲を包み込んで省略文を展開(選択文字の挟み込み展開)する事だそうです。 省略文はTabキーON又はExpand Abbreviationをクリックすると、通常のタグ文に展開します。省略記法は充分動作OK。

     タグ挿入メニュのタグ挿入では、選択文字を開始タグと終了タグで挟む記述法は出来ませんが、省略記法の挟み込み展開を実行すると、テキストボックスが表示されるので、タグ名を記入すると、この結果が実行されます(挟み込み記法と略称)。
     ライブプレビューのHTTP機能は、文字コード認識機能が劣悪の為、SJISの表示不良を起こしSHF-8で表示して文字化けします。その際は、ブラウザのエンコードメニュからシフトJISに変更して解消する。
  3. Notepad++

     このアプリは、構文強調表示が特徴で40の言語に対しサポートしている。しかし、開発者が一人だけで改良のてんぽが遅い。現在はHTML5が主流となってきたが、現状32ビット用の改善は終わったようで、64ビット用の改善が漸く始まったようだ。

     最新のエディタの主流は、HTML5の省略記法Emmetプラグイン対応化だが、残念ながらこのアプリには、64ビット用は未開発のため不可能だが、プラグイン管理モジュールがVer7.5以降変更され、Emmetは対象外となっている。この現況から、当座は32ビット用を使用し、64ビットアプリが整備された時点で移行する事とした。  しかし、32ビットアプリもEmmetはプラグイン管理外でGitHubサイトから32ビット用を取得手動インストールとなり、又、H5には未対応の状態である。EmmetやスニペットのスクリプトはPythonが必要との事で、SnippetsとPythonScript, CustomizerToolbar, 他4プラグをインストールして調整整備をした。

     環境設定、システム設定では、HTMLとCSSの配色やWindows10標準フォント「Yu Gothic Semibold」の設定を行った。スニペットでは、HTML5とCSSのテンプレートの設定や常用するタグ等の編集、追加、削除、挿入等の調整を行った。 又、ツールバーのカスタム化や配色替えを行いすっきりさせました。ショートカット管理で、メイン、マクロ、実行、プラグイン、エディタ関連のキーの重複解消設定を行い、省略文展開は「Ctrl+E」, 選択範囲のラップ展開は「Alt+E」に設定した。

     アプリ・Emmetの入手やカスタムツール等は「Editor情報のNotepad++」を参照して導入下さい。スニペットのテンプレートをクリックしてHTML5やCSSを挿入して即本文記述ができ、細かなタグはスニペットから挿入したり、省略記法を利用できます。

    非常に動きは軽快で使い易いです。Bracketsのような、絡みつきやべた付き感は在りません。只、スニペットからのタグ操作は慣れるのに時間がかかりそうです(画像D参照)。省略記法は充分動作OK。
    省略記法では、Bracketsと同じく挟み込み展開が出来ます(但し動作は緩慢)。又、文字を選択しスニペットからタグを打出しても挟み込み記述が出来ます。

  4. StyleNote5

     このアプリは、2000年当初、かなり良かったので思い出し、試してみました。64ビットWindows10用としてアップデートを重ね、2017年版が現状最新になっています。アプリは、圧縮ファイル「sn522.ZIP」を好みのフォルダに解凍しますが、ユーザデータは、全て「C:\Users\userName\Documents\StyleNote」フォルダに格納されます。アンインストールは、両方のフォルダを削除するだけです。内容は全てHTML5対応となっています。

     タグの挿入は、メニュやツールバーから出来ますが、「表示>レフトパネル>レフトパネルの表示」をチェック、「ライブラリー」を選択すると、左パネルが表示され、スニペットとHTMLのリストが表示される。スニペットの左上のプラス(+)をクリックすると、スニペットの編集パネルが表示されるので、名前と本文を記入、テスト保存して新規スニペットを追加する(但し、初期挿入はオフの事)。

     スニペットのH5/CSSテンプレートを右クリックして、編集や打出しを実行します。HTMLには、タグ類が充実しているので、挿入及び挟み込み挿入共出来ます。又、「スタイルシート>ブロック(インライン)要素」をクリック→CSS適用ダイアログ→CSSファイルに登録しているクラスやIDを選び、選択文字を挟み込んでタグ挿入が出来ます。
    画面も鮮明で、動作も軽快、スニペットとタグ挿入は充実していますが、省略記法は、残念ながら昔の「Zen Coding」を使っている為、複雑な組み合わせは展開出来ません。又、挟み込み展開も出来ません。本アプリの省略記法は頼りになりません。サイドバーだけで十分HTML文を作成できますので、タグを完備した昔風の手法を好きな方用に最適です(画像E参照及び画像F参照)。

    レフトパネルをNotepad++やTerapadのようにプラグイン化しドロップダウンリストで分類、実行できる方法に変え、現在の3組のツールバーをスリム化簡素化し、Emmetの導入を計れるよう期待する。複雑な操作の更なる簡素化と単純化を要望。
    アプリ・カスタム化ツールの入手等は「Editor情報のStyleNote5」を参照導入下さい。
  5. VSCode(Visual Studio Code)

     このテーマを書こうとして驚いた。Windowsユーザは、マウス操作オンリーです。それも挿入タグ文を直接クリックして挿入します。TerapadとBracketsは分類名をクリック、そのリストの挿入タグ文を直接見て挿入、コンパクトな形状ですが、Notepad++は、タグの数程一個一個スニペットが作られ、膨大な縦長リストで、タグ文も見ずに挿入、又、StyleNoteは分類されているが、タグ文も見ずに挿入、それに一々全てダブルクリックして開閉挿入を実行する等、少々お粗末です。でも、誰でもボタンを押下、出力タグをみて判断し色々試行錯誤しながら使い方を習得、応用出来るようになる。大変汎用的で確実です。

     さて、このアプリはどうでしょう!。マウスでタグを挿入しようとしても何もない。キーボードから手動で書込む以外手がない。Linuxならそれが普通だが、Windowsユーザはマウス操作が普通、このアプリはウインドウ用としては失格。ユーザが使い慣れたタグ文を登録し挿入する方法が最速・最善で確実です。

     文章を書く時は、推考と校正を重ね乍ら書き進めて行くのが一般のユーザです。エディタでアレンジを見ながら改行し行を明け乍ら完成した文章を、冒頭に「<Pre style="white-space:pre-wrap">」 と書き、末尾に「</Pre>」と書き、ファイル拡張子を.htmに変えただけでも立派なHTMLファイルになります。どこかのタイピストみたいにタグ省略記法で泡食って書く必要は在りません。ゆっくり推考と発想を練りながら書きましょう。

     このアプリは、タグ構文をマウス押下で挿入する手段を持たない。マウスでカチカチすればタグが書込めるのに一々キーボードを叩くのか理解できない。いつもいつも定型文をキーボードから書込むのは非合理的・愚の骨頂。登録リストから挿入するのが妥当。この意味でこのアプリは失格。マイクロソフトがテクニックに溺れて大綱から脱落する風潮を暴露した代物と判定。
     ユーザが求めるのは、操作が単純・シンプル・平易で誤解を起こさないアプリです。 このアプリはHTMLやCSSは、全て省略記法以外は利用不可能です。ウインドウズユーザには無縁のものです。マイクロソフトは何故Linuxユーザ専用だけ作ったのか理解出来ない。ウインドウユーザを何故コケにするのか?・・・。
    アプリの配色テーマは、カスタムのプラグイン(背景白色)を作成、画面左下の「ギヤ>配色テーマ」の「Custom Light」を選択下さい。この画面のように鮮明な画像となりました。HTMLとCSSのテンプレートを組込みましたので、HTMLは画面に「html5」、CSSは「css」とタイプし「Tab」キーをプッシュすれば、打出されます(画像F参照)。
    ブラウザで表示するには、「Alt+B」又は、コードを右クリック「Open in Default Browser」をクリックします。尚、このアプリも、纏い付きベタツキ感が在ります。アプリの入手・カスタム化は「Editor情報のVSCode」を参照導入下さい。

  6. Sublime Text3

     このアプリは、VSCodeより出来が悪いです。日本語を書いているとなんか小汚い文字が表示され、Enterすると鮮明になります。勿論、タグ挿入は不可能で省略記法(Emmet)だけしかタグは書けません。又、文字コードは「STF-8」専用で、SJISは、一旦、STF-8に変換して処理し、戻すときにSJISに返還して返します。この為、文字化けが多く発生し、このエラー対応ブラグインConvertToUTF8が必要です。

     ドキュメント本体の形状は、「基本設定>テーマ」の「Monkai+, Default」を推奨、文字の配置・サイズ・配色・背景色等は、「基本設定>カラースキーマ」をクリック、ウインドウ10用にカスタム化した「User/Color Highlighter/Themes 」フォルダの「Widget-Windows10, Monkai+, 3024 Day」を利用下さい。ウインドウ10標準フォント「YU Gothic UI」を設定見やすい画面となっています(画像G参照)。

     画面を右クリック、メニュ「View in Browser」をクリック、ブラウザで表示する。又、HTML5とCSSのテンプレートをスニペットとして組込みましたので、画面にhtml5又はcssと書込み、Tabキーを押下するとひな形が出力されますので、利用下さい。
    アプリの入手・カスタム化は「Editor情報のSublime Text3」を参照導入下さい。」